防災対策と名前が付くと、きっちりと備えなければならないイメージがあります。しかし、今回はちょっとした工夫で防災対策になる、インテリアのアイデアをお伝えします。
熊本地震で、家中の家具やインテリア雑貨が倒れ、壊れました。地震後しばらくして、少しずつ壊れた物の片付けに追われていたのですが、ふと「この場所に置かなければ、こんなにめちゃくちゃにならなかったのでは?」と思いました。
私の知人で「激しく揺れたけど、そこまで壊れたりしてないよ」という人がいて、なぜだか聞いてみると普段から防災意識が高く、家具など配置に気をつけていたとのことでした。もちろん、地盤や建物の素材や基礎などで揺れ方は異なります。
しかしちょっとした工夫で少しでも被害や危険を回避できる可能性があるならば実践しましょう!普段の生活の中で気軽に工夫できる方法をまとめます。
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家にいる時、地震の被害を最小限にしたい!
前述の通り、地盤や建物の状況によるので、家具やインテリアで完全に安全な状態を作れるとは限りません。しかし、地震での被害をシミュレーションすることで見えてくる危険性があると思います。
自分の身の安全はもちろんですし家族や大切な方のために、ご自身の家の中を見渡して危険な物がないか・改善できる部分はないか、今一度確認してみましょう!
寝室や普段いる場所には家具を置かない
熊本地震の場合のように、寝ている場合はすばやく避難することが難しくなります。そのため、寝室にはできるだけ倒れる恐れのある家具は置かないようにしましょう。また、自分が家の中で長い時間を過ごす定位置ってありますよね。
落ち着いてのんびり過ごせる定位置の周りにも、落下物や背の高い家具が無いか再度確認しましょう。少し移動させるだけで危険を回避できる場合があります。
窓はできるだけレースのカーテンを閉めておく
大きな地震や台風の場合もですが、激しい揺れや突風で窓ガラスが割れる危険性があります。完全ではないですが、多少はガラスが飛び散るのを防ぐことができます。日中はカーテンを開けておくことが多いかと思いますが、窓を開けていないガラス部分にはレースカーテンを閉めておきましょう。
話は逸れますが、レースの種類によっては閉めておくことで冷暖房費の節約にもなりエコでおすすめです。また、外から中が見えにくくなるミラーレスカーテンを使うことで、災害後の家を狙う空き巣などに室内の様子が分かりにくくなるような工夫もしましょう。
開き戸など、ロックをかけておく
熊本地震では、家中の扉・冷蔵庫のドア・キッチンの扉や引き出し・ふすま・食器棚…などとにかく色んな物が開き飛び出しました。しかし唯一開かなかったところが…それは子どものイタズラ防止ロックを使っていた棚です。
この経験を踏まえ、うちでは子供が手の届かない場所でも、扉や引き出しにはロックを付けるようになりました。「有効な対策かもしれないけれど、いちいちロックを外すのが面倒…」と思いますが、数日すると慣れますよ。
収納は上にいくほど軽く・壊れにくい物を入れる
激しい揺れでは上にある物は落下します。しかも場合によっては落ちるだけでなく凶器のように飛ぶように落下します。もしそれが重く壊れやすいガラスや陶器だったら…ひどい怪我に繋がりかねません。
地震が落ち着いたあと、家を片付けようとするときに思ってもみない場所までガラス片は飛び散っています。私はそれに気づかず思いっきり踏んでガラスが刺さりました。小さな破片でしたが歩けないほど痛かったです…。
棚の上部には万が一落ちてきたら痛いかな?割れるかな?という事を考え収納しなおしてみましょう。ちなみにうちの食器棚は、下の棚にガラスや陶器、上にいくほど軽く割れにくいプラスチック製などの食器を並べています。さらに下段は100均の梱包材をクルクルと巻いて、クッション代わりに入れています。新聞なども同様に利用できます。
三段ボックスは横にして使う
三段ボックスは、ネットでも活用方法が多く、家にお持ちの方も多いと思います。そんな三段ボックスももちろん倒れました。そこまで大きい家具ではない三段ボックスですが、寝ている間に倒れてくるとやはり危険です。しかし、なかには倒れなかったものもありました。
それは横にして使っていた三段ボックスです。横にして三段ボックス用の引き出しを使い、中に水を保存してたので重かったのかほとんど動きがありませんでした。それからほとんどの三段ボックスは横にして使うようになりました。
通常通り立てて使う場合は、避難通路の邪魔にならない家の隅にしています。もちろん、この場合も重たいものや割れる危険がある物を一番下の段に収納しています。
インテリア雑貨・食器の素材を考える
玄関や各部屋に小物を飾るのが趣味でした…が、地震によって割れたり壊れたり。特にガラス容器の芳香剤は、割れた破片が散乱し匂いも部屋中に充満してしまいました。地震後は、もうインテリア雑貨なんているもんか!!と思い殺風景な部屋になりましたが、たまに飾りたくなることも。
そんな時には素材を重視して選ぶようになりました。ガラス製→プラスチック製、鏡は飛散しにくい素材の物、押しピンは使わない、など何を飾る場合でも「もしこれが落ちてきたらどうなるか、避難時に踏んだらどうなるか」を考えましょう!
酒・酢・醤油など匂いがする物・べたつくものに注意
上記の芳香剤同様、匂い系は想像以上にストレスです。しかも酒や酢など調味料系の匂いはカーペットや床に強い臭いが染みつきなかなか取れません。強い匂いの中一生懸命掃除や片付けをし、自宅避難に切り替えた時にもまだずっと匂っていました。油やソースなどベタベタするものも注意が必要です。
容器のガラスも思った以上に飛散し危険です。これらの物は可能な限り膝より下くらいの場所に保管しておくことをおすすめします。またロックも忘れずに。たとえ冷蔵庫や棚の中で割れたとしても散乱するよりマシだと思います。
難しくないところから防災意識を高めよう
今回ご紹介した方法は特に難しいものはなく、どなたでも取り組めるものだと思います。しかし一気に全部しようと思うとなかなか行動しない場合も。今日は三段ボックスを横にしよう、など1日1カ所でもいいので工夫してみましょう。
熊本地震後は、いつどんな大地震が起きても対処できるように完璧にしないと!と気を張っていましたが、時が経つにつれ少しずつ緊張が緩和したように感じます。「まずは身の安全。そのためには、家の中を普段から地震が起きても慌てなくていい状態にしておこう」と思うようになりました。
ちょっとの工夫があなたやあなたの大切な方の身を守ることに繋がります。もしもの場合を想像して、できることから始めてみましょう。