子どものころ、学校などの避難訓練で習った合言葉(標語)。世代や地域によって合言葉はさまざまですが、どれも避難時に大切なことがつまっていると熊本地震を通じてあらためて感じました。
今回はそんな合言葉をいくつかご紹介します。大人になると意外と忘れていたり、子どもにとって覚えやすかったりするので、この機会にしっかりと覚えておきましょう!
災害時、避難時に覚えやすい合言葉
「懐かしい~!」と思うものもあると思います。自分のためにも、子どもがいる方は子どものためにも、万が一の災害時に冷静に行動できるように覚えておきましょう。
また、子どもの場合は防犯の合言葉も一緒に覚えるのがおすすめです。避難時の犯罪対策の記事でも触れたように、身を守る事も非常に大切です。
おかしも(おはしも)
- 「お」:押さない
- 「か」:かけない
- 「し」:しゃべらない
- 「も」:戻らない
聞いたことがある方が多いと思います。「おかしも」「おはしも」両方とも同じ意味ですが、小さい子どもは「かけない」の意味がイマイチ伝わりにくいので「はしらない」の「は」で覚える方もいます。(私も「おはしも」派でした!)
最後の「も」を無しで覚えている方も多いようですが、「も」が大切です!!
「あれ?大事なアレを忘れてる!」と避難時に自宅などに引き返すのは大変危険です。大地震の場合は、家が倒壊するかもしれません。津波が来るかもしれません。火事になるかもしれません。
まずは自分の身の安全です!!「戻らない」は大事です!
おかしもすき
- 「お」:押さない
- 「か」:かけない
- 「し」:しゃべらない
- 「も」:戻らない
- 「す」:すばやく動く
- 「き」:(よく)聞く
前述の「おかしも」に「す・き」がプラスされています。「すばやく動く」「よく聞く」もとても大事です。すばやく動くとは、慌ててバタバタするのではなく、冷静に危険をいち早く回避するという意味だと考えます。
また、その場の指導者や防災無線など、避難に必要な情報をよく聞きましょう。
【防犯標語】いかのおすし
- 「いか」:いかない
- 「の」 :のらない
- 「お」 :おおきな声を出す
- 「す」 :すぐ逃げる
- 「し」 :知らせる
普段はもちろん、災害時・避難時に起きる犯罪から身を守る防犯標語です。災害時は、みんな水や食料などを求めます。多くの方が善意で支援してくださるのですが、その中には悪意を持ち被災者に近づく者がいる恐れもあります。
「あっちに食料を持ってきているから」「開いている無料温泉に連れていきますよ」などあたかもボランティア活動のように接してくると、被災者側にとって魅力的な内容ですし「本当だろうな」と信じてしまう可能性があり危険です。
この標語にあるように、何を言われてもついて行かず、車に乗らず、危険な時は大声(ブザーを鳴らす)を出しましょう。すぐにその場から逃げ、避難所や警察など被害が拡大しないように知らせましょう。
災害時に合言葉を思い出す=冷静に落ち着く
大きな災害時はとにかくパニックになります。熊本地震の前震・本震の際も、「怖い!!!どうしよう!!!逃げる?どうやって!?」が頭の中のほとんどを占めていました。
時間が経つにつれ、周りの方々との会話も多くなっていきました。その中で、「そういえば小学校の時、標語みたいなのありましたよね~。初めて役に立ちましたよ!」という話が出ました。
「??…あ!!ありましたね!!」と、私はそのときに思い出しました…。揺れているときもおさまったときも頭の中は真っ白でした。
今思い返すと、無駄な動きや「どうする?!」「どうしようか?!」など不安を煽るような発言が多かったと思います。もし思い出していたら、もう少し冷静に避難できていたのかな、と反省しました。
また、日ごろから「今地震が起きたらどう行動する?」と想像することも大切ですね。この合言葉を使う状況にならないことを願いますが、万が一を想定し必ず覚えておきましょう!!