【飲料水】災害時の断水対策のポイント

今回は災害時における断水対策のポイント【飲料水について】をお伝えします。

生活用水の記事でも触れましたが、水はとても大切です。
人間の身体は60~70%は水分でできています。その水分が不足すると、身体的にも精神的にも非常に危険な状態に陥ってしまう場合があります。

また、震災直後は緊張や不安で喉が渇き、家や塀が倒れた粉塵でとても乾燥し、通常よりも水を必要に感じました。

そんな大切な水を災害時にできるだけ確保・保存するためのポイントを今回の熊本地震での経験を元にまとめました。万が一の際には、少しでも多く水を確保しましょう。

水がないとどうなる?必要な量は?

飲料水

断水などによって水が不足した場合はどうなるのでしょうか?前述したとおり、私たちの生活に水は欠かせません。

その中でも特に、飲み水の不足は脱水症状を引き起こします。暑い季節には熱中症に繋がる恐れもあります。特に子どもや高齢者への影響に注意しなければなりません。

断水で水が無くなる・いつ復旧するかという恐怖

また、熊本地震の避難生活では、断水によって水が全くでない状態が続きました。給水所や給水車がありましたが、遠くてなかなかいけない・足りなくて貰えなかったなどトラブルもありました。

そのため、十分に水を用意・給水してもらっている場合でも、水が無くなるという恐怖から必要以上に水を探し求めたり、とても遠い給水所までも水を貰いに行くという方がいました。今その方に話を聞くと、「恐怖で我を忘れかけていた」とおっしゃっていました。

同じような話を地震後に複数の方から聞きました。家族や周りが大丈夫だと止めても、地震の恐怖・断水など通常とは違う環境の中で精神的にも追い詰められる方は思った以上に多くいらっしゃったのだと思います。

水はどれくらい準備したらよいか

災害時に、水の必要量は1人当たり3リットルと言われています。

これを最低3日分、できれば1週間分ほど用意しておくのが理想です。そのころを過ぎると、災害支援もおおよそ行き届くようになります。逆を言えば支援があるまでは完全に自力で乗り越えないといけない恐れがあります。

熊本地震直後に全国各地からすぐに給水車が熊本に向かいました。そして多くの場所で給水活動が行われ、多くの方の助けとなりました。

しかし、給水所の情報が上手く伝わらなかったり、最初のうちは給水所が限られており遠く間に合わなかった等、水を受け取れない方もいました。

災害直後は混乱もあるため、余裕を持って水を準備しておくと精神的な安定にもつながります。

特に夏場は水分補給が重要になります。
普段より多めの備蓄を心がけましょう!!

水を用意する時のリスクの分散・方法

水
前述のとおり、水は1人当たり1日3リットル必要です。それを3日~1週間分となると、保管場所も考えなければなりません。普通は、分かりやすいように一カ所にまとめて置くことが多いと思います。

しかし、保管場所が地震によって潰れてしまったり物が倒れて取り出せない状態になる可能性もあります。

そのため、できれば水の保管は一カ所ではなく各部屋にも準備リスクを分散させましょう!

2Lペットボトルと500mlペットボトル

水をまとめて用意したい!という場合は2Lのペットボトルがおすすめです。一般的に6本1箱で売ってありますので、必要な分用意しておきましょう。

また、今回の震災で感じたのは500mlのペットボトルの手軽さです。2Lの場合は飲むたびに紙コップを使っていましたが、500mlのペットボトルだと自分専用にでき、長時間の飲み残しが無いので衛生的で、持ち歩きに便利でした。

私はたまたま1箱500ml×24本入りのお茶を買っていたため、常に水分を持ち歩くことができる安心感もありました。また、困っている方にお渡しするのにも便利なサイズです。実際に支援物資として供給された飲み物は500ml程のサイズの物が多かったです。

家族の人数にもよりますが、500mlの水は1箱用意すれば足りるかと思います。(足りなくなっても、ペットボトルに水を入れ替えると良いと思います。)

水の賞味期限は?買い置きはローリングストック法で!

水にも賞味期限はあります。過ぎたからと言って急に悪くなものでもないので、ある程度なら大丈夫そうな気がしますが、やはり期限内の物を用意したいですよね。

実は賞味期限は水ではなく、ペットボトルに水を保存できる期間の事なんです。そのため賞味期限を過ぎると、中身が蒸発する・外部の臭いがうつる、という現象が起きます。

万が一に備えて準備している水は、日常の生活で使いつつ、買い足したものをまた保管するといったローテーションを行って賞味期限切れを防ぎましょう!

ネットでは水を送料無料で購入できるところが多く、自宅まで届けてくれるため体力に自信がない方にも便利です。しかし金額的には近所のドラッグストアやホームセンターの方が多少安いこともあるので、お買い物ついでに価格をチェックして購入しましょう!

水1箱(2L×6本)を持ち帰るのが難しい場合は、お買い物と一緒に1日1本ずつ購入するのもおすすめです。災害はいつどこで起こるか分からないので、一気に備えたほうが安心ではありますが、無理のない範囲で防災対策を始めるのも大切だと考えます。

備蓄分はそのままにしておきたい・面倒という方は、5年保存ミネラルウォーターなど、非常災害備蓄用の水がおすすめです。

ウォーターサーバーで飲料水確保

ウォーターサーバーは、通常6リットル~12リットルが1本で、ストックを家に置いている方が多いです。1日1人×3Lなので、十分備蓄もできそうです。

飲料水に関してはウォーターサーバーを設置している家庭では確保できた方が多いです。(停電している間はお湯は出すことができなかったようですが。)

私も上の子の赤ちゃんの時からミルクのためにウォーターサーバーを設置していたのですが、下の子も離乳食も進みミルクもほとんど飲むことがなかったため、地震のちょうど1ヵ月前に解約していました…。まさかのタイミングでした。

幸い通常のペットボトルでの飲料水は確保していました。物資が届いたり、近くのスーパーが店外での営業を始めたりするまで、どうにか乗り越えることができました。

個人的にですが、特に小さい赤ちゃんがいるご家庭では、ミルクのお湯の調達がとても難しくなると思いますので、乳児期間だけでもウォーターサーバーがあると安心だと思います。(災害状況によっては使えない事はもちろんあると思いますが、インフラの中でも電気は復旧が早い傾向があるため)

注意!水道水は3日で入れ替えよう!

ポリタンク
日本の水道水は美味しいかどうかは別として、国が定めた安全基準に基づき塩素消毒されており基本的には飲めます。熊本は特に「水が美味しい!」と言われるだけあって飲みやすいです。

ここでは、カルキ臭くて飲めない!本当の本当に健康に大丈夫?…などといった話は行いません。緊急事態の話ですので。

水道水をポリタンクに入れて保存する場合は、水道水に含まれる次亜塩素酸ナトリウム(カルキ)で雑菌の繁殖を抑えるため浄水器・煮沸は必要ないのでご注意を!

    • 新品のポリタンクをしっかりと洗い、乾かし、清潔にする。
    • 水道水を少しずつあふれるように入れる。(勢いよく入れると空気が入ってしまう)
    • 口元まで満タンにしてしっかりと蓋をする。(空気に触れさせない)
  • 風通しの良い冷暗所に保存する。

(参照元:熊本市上下水道局HP)

夏場は3日・冬場は1週間を保存の目安として、こまめに入れ替えを行いましょう。保存期間を過ぎた水は、花の水やりや洗濯などにつかいましょう。

水道水は飲み水に使わない方も多いかと思いますので、その際にはここまで神経を使って保存しなくてもよいと思います。

水を入れるポリタンクは”白”、赤・青を使わない!


ウォータータンク 20L

多くの方はご存じだとは思いますが、あらためて、水を入れるポリタンクは白です!!

絶対に灯油用の赤・青は使わないでください!万が一、赤・青に入っているのが水とは気が付かずに給油してしまったら?大変なことになりかねません!災害時は混乱し冷静さを失うこともあります。もしもの時の判断のしやすさ・正確さを重視しましょう。

水を運ぶ方法を考える

災害時には、事前に備えていた水を使ったり給水車から水をもらったりしますよね。しかし、水は重さがあるため持ち運びが負担になります。水以外にも荷物があることも多いため、持ち運びが簡単にできる道具があると便利です。

私は自転車を使いましたが、道がガタガタ歪んで不安定でした。(元々自転車の運転も上手ではないです…)そのため、ベビーカーも使いましたが、今はベビーカーを処分したので折りたたみのキャリーカートを備えています。

キャンプをする方は、大量の荷物が入るアウトドアワゴンを使っていて、とても便利だと話していました。アウトドア用品は災害時に使えるものが多いようですね。

長くなってしまいましたが、それほど水は大切です。できる限り水を確保・備蓄して不測の事態に備えましょう!