熊本地震においては車中泊をする方が多く、テレビやラジオなどではエコノミー症候群などの注意喚起もありました。今回はそんな車での避難についてお伝えいたします。(避難所での生活は別途まとめます。)
家は壊れていたり余震が怖かったりと、避難所に行くか車に避難するか迷う所です。メリット・デメリットを把握し、厳しい中ですが少しでも快適に避難生活を送れればと思います。
車を少しでも快適なベッドにする方法を身近な物で作れるようにまとめていますので、いざというときに参考になれば幸いです。
Contents
災害への備え!車に入れておくと便利なグッズ
普段使っている車に皆さんは何を入れていますか?
私は今回の熊本地震を体験して、あらかじめ車の中に入れておくと便利だと思うものを厳選しています。もちろん人によっては不要であったり、時期的に入れられないものもありますが、そこは臨機応変に変えて頂けたらと思います。
限られた空間に備えを!おすすめの使えるグッズ
※ダニやほこりなどが気になるものについては、密閉できる衣類用の保存袋に入れておくと◎です!
- 水:2リットル×6本(1箱)
場所を取りますが、やはり水は大事なので夏場以外は常に車に入れています。 - ティッシュペーパー(2箱)
何かと使うティッシュ。こちらは多くの方が常備しているかと思います。 - 簡易トイレ・ビニール袋(1袋)
車のゴミ箱の底に入れておくと邪魔にならず保管しておけます。 - 新聞紙(2日分くらい)
車の大きさにもよりますが、スモークフィルムなどを貼っていない車の窓に簡易的な目隠しとして使えます。 - バスタオル・フェイスタオル
上記と同様、窓の目隠しにも使えますし、大きいバスタオルなら着替えのときや布団代わりとしても便利です。車中泊のベッドにも活用できます。→車中泊時、シートを快適なベッドにする方法をまとめています。 - サンシェード
夏場に活躍するので、多くの方の車にあると思います。目隠しのほかに、アルミシートの素材は地面に座る時に敷くと体が冷えにくく重宝しました! - 毛布・ブランケット(人数分)
真夏だとタオルでも良いですが、それ以外の季節は朝晩は冷え込むことがあります。かさ張りにくく暖かいマイクロファイバー素材がおすすめです。(保管は圧縮袋がおすすめ) - 車用携帯充電器
これも最近では利用する方が多いですね。万が一停電の際も安心して充電できます。
スペースに余裕があるなら備えたい便利なグッズ
- 折りたたみ敷き布団
座席を倒して横になれるのであれば、折り畳みの敷布団もおススメです。座席は倒れてもやはり車のシート。数日間避難が続くようならあった方が便利です。実際私も使いましたが、何も敷かないのとは雲泥の差でした。 - ダニ避けスプレーなど
小さいお子様がいらっしゃるご家庭には必須です!車のシートには意外にダニが潜んでいます!!私の子どもたちも実際に刺されました。後日病院が開いたときに連れて行くと同じような方がたくさんいました。※ただし、車内の高温時は保管に適さないのでご注意ください! - お湯を沸かせるポット
これは持っていなかったのですが、車のシガーソケットに電源を刺してお湯が沸くポットです。カップラーメンや即席のご飯(お湯を入れて30分)を作る時に便利です。やはり温かい物は心も落ち着きます。 - 着替え
着替えもダニには気をつけ、密閉袋などに入れておくと便利です。
自分に合った避難グッズを厳選する
他にも家族構成(赤ちゃん・小さい子はいるか、お年寄りはいるか、ペットはいるか)や、車の大きさによって用意しておくべきものが変わってきます。赤ちゃんがいる場合はオムツを1袋入れておくのもおすすめです。(実際私はそうしていました。サイズアウトを考慮してワンサイズ上のものも◎です。)
どうしても、あれもこれも必要!とついつい物が多くなりがちですが、車の容量は限界がありますし、緊急に必要ではないものもあります。まずはリストアップしてみて、必ずいるかどうか検討してみることをおすすめします。
判断基準としては、細かい物ももちろん必要ですが、緊急時に家から持ち出しにくい大きい物・避難後すぐに使う物ははじめから車に入れておいた方が慌てないかと思います。他の物は避難リュックにしっかりと用意し、すぐに持ち出せるようにしましょう!
車中避難のメリット・デメリット
緊急時に車に逃げ込めるようにグッズをご紹介しましたが、車で避難生活を送る上でのメリット・デメリットもお伝えします。良いことも多いのですが、やはり車は車です。些細な不便から、気を付けないと命にかかわることまであります。
車中泊のメリット
- プライバシーが守られる
これが一番ではないでしょうか?避難所生活では最初のころは区切りなどもないため、視線が気になります。ちょっとした行動にもお互い気を使っていました。 - 音が気にならない
人が多いとどうしても気になるのが声や音です。特に赤ちゃんがいる家庭では、泣き声や大きな声で周りに迷惑をかけていないか気が気ではありません。言ってもわかる年齢でもないので、車中避難を選ぶ方が多かったようです。ペットを飼っている方も同様でした。 - 揺れが建物ほど気にならない
車に避難した時にも震度5の揺れがありましたが、建物の中ほど恐怖を感じません。普段車で走っていると道の凸凹で当たり前に揺れるので、その感覚と似ていました。 - 場所を選ばない
車だと危険を感じたらすぐに逃げることができます。実際に、駐車場が建物に面して瓦など落下の危険性がある場合に、空き地などに車を移動させる方がいました。
車中泊のデメリット
- エコノミークラス症候群のリスクがある
エコノミークラス症候群とは長時間同じ姿勢をとると、足に血栓ができ、血液循環に支障をきたすため呼吸困難や最悪の場合死に至るという恐ろしい病気です。避難所生活でも普段より動くことが減ったりするので注意が必要ですが、車という特に狭い空間ではエコノミークラス症候群のリスクがより高まります。1時間に1回程度は車外で適度に身体を動かすことが重要です。 - ガソリン
車は温度も調節でき、ワンセグや携帯の充電ができる方もいます。しかしそこでネックになるのがガソリンです。熊本地震でも多くのガソリンスタンドが被害にあったため、次の給油がいつどのくらいできるのか分かりませんでした。 - 脱水・熱中症
上記にも繋がるのですが、ガソリンを無駄に使わないように暑いときでもエンジンを切るため、脱水症状や熱中症になる恐れがあります。 - トイレ
車が止められる場所にトイレがなかなかありません。トイレに行かないように水分を取らないというのはとても危険ですので、携帯用トイレなどを用意してしっかり水分補給をしましょう。
車中避難は長期にわたることも念頭に入れましょう
今回の熊本地震で車中泊をする方の中には、家には戻れるけれど、余震が怖い・子どもたちが帰りたがらないという方が多く見られました。実際、車中泊の正確な数字が分からないほど多くの方が車で過ごしていました。(子どもとの車中泊については、こちらの記事を参考にどうぞ)
私の家でも子どもたちが落ち着くまでは車での寝泊りしていました。私の場合1カ月弱で物理的にも精神的にも家に戻れる状態になりましたが、長い方は地震後3~4カ月車中泊していたそうです。
子どもがいる家庭では特に、車中避難はそこ2~3日ではなく長期間に及ぶ可能性があると頭に入れておきましょう。安全ですぐに家に戻れる状態でも、地震で傷ついた心もすぐに癒えるとは限りません。少しずつゆっくり元の生活に戻れるように、一日一日を焦らずに過ごしましょう。